パワーエレクトロニクス回路

パワーエレクトロニクス回路の基板設計が必要なお客様
(スイッチング電源、AC/DC電源、DC/DCコンバータ、DC/ACインバータ、 モータドライバー、IGBT ・SiC・GaNを使用した大容量基板等)

電子機器の生命線ともいえる電源回路には、大電力、省エネ、小型軽量化が求められます。特に、大電流、大電圧回路を必要とする分野では、小型化技術、かつ放熱対策技術が重要度を増しており、プリント基板設計との協調が重要視されます。
リンクサーキットでは、パワーエレクトロニクス分野で、大電流、大電圧回路の小型化に関して多くのプリント基板設計実績を積んでいます。


導体許容電流と導体間耐電圧

パワーエレクトロニクスの回路を基板製作するにあたり気を付けなければならないのが、電圧値、電流値 に対して導体幅と間隙の寸法です。図1~5をご覧ください。図はパナソニックの基板材料カタログからの抜粋です


◆ 1.電流値と導体幅
パナソニックの基材カタログでは、銅箔に電流を流したときに銅箔の温度上昇が10℃以下となる値を導体幅の適正値としています。一般的に1㎜ー1Aと言われていますが本当でしょうか。図2の35μ銅箔の導体幅5㎜をご覧ください。電流値約5Aで温度上昇が10℃となっていますので、5㎜幅の時5Aを適正値としても良いでしょう。しかし、10㎜をみてください。温度上昇が10℃以下におさまっているのは約7Aまでとなっています。10㎜幅では7Aまでが適正値と考えるできでしょう。図3の銅箔厚70μの時をご覧下さい。10℃以内におさまっているのは10mm幅までとなっています。1㎜ー1Aとは材料銅箔厚が70μ以上の時の目安と考えた方が良いかもしれません。多くの場合は1mm-1A ではありません

◆ 2.電流値とスルーホール数
次に電流値とスルーホールの個数について考えてみましょう。通常の貫通スルーホール内の銅メッキ厚は15~20μです。基板の表層銅箔厚の設計値は通常35μで設計しています。つまり、スルーホールの壁面の銅箔厚は表層の約半分の厚みしかありません。したがって、図1の銅箔厚18μの導体幅を想定してスルーホールの個数を決定するのが良いでしょう。例えば、φ0.3のスルーホールの円周は約1.0mmです。5Aの切り返しえしでは適正導体幅が10mmですので、スルーホールが10個以上必要ということになります。しかし、1A 以下ではどうでしょうか。図を見る限りスルーホールの数は大電流の時に比べて影響は少ないように見て取れます。このような事から、基板を起こす場合には、切り返しスルーホールの適正個数は、その電子回路の固有の特性や性質、コストとのかね合い、製品サイズと電気的特性、EMC等からの要求事項を基板設計上で最適化させることを考えるのが良いでしょう。




◆ 3.破壊電圧(フラッシュオーバー)
図4は表層のレジストがない場合の導体間隙と破壊電圧の関係です。レジストがある場合は図よりも間隙を小さく設計しても良いと思いますが、当社ではこの数値を基本に設計しています。基板設計を行う上で沿面距離が足りなくなる場合は、スリットを入れる等なんらかの工夫が必要となります。

◆ 4.導体幅と破壊電流
図5をご覧ください。銅箔厚35μで導体幅が2mmの時の破壊電流は20Aとなっています。1)の電流値と導体幅と照らし合わせると、適正導体幅が保てない場合でも直ちに破壊が起こるというわけではありません。適正幅から外れて破壊が起こるまではかなりの幅があります。このような事からも、基板を起こす場合は、その電子回路の固有の特性や性質、コストとのかね合い、製品サイズと電気的特性、EMC等の要求事項から基板設計上で最適化させることを考えるのが良いでしょう。

◆ 基板設計を行う上で必要な重要情報
Q.電圧値、電流値に対して導体幅や間隙について
 ・どのように決めているのか。
 ・社内に基準があるのか。
 ・何を基準にしているのか。

A.当社では上に示したパナソニックのデータの数値に基づき設計を行います。
しかしそれだけが全てではありません。
お客様が開発しようとしている機器の種類や販売する地域によって、満足させなければならない試験も異なります。それぞれの試験に基準や規格があり、その試験を満足させるために必要な導体幅や間隙も違ってきます。
当社では、パナソニックの基材のデータを基に、お客様の開発する製品に必要な基準や規格をお客様とのコミュニケーションから理解して基板設計を行うことを大切に考えています。


パワー素子とSMD混載実装

大電圧、大電流の基板製作は、導体幅、沿面距離、銅箔厚を決めるところが重要となります。銅箔厚を厚くすれば導体幅を細くできて沿面距離も確保しやすくなります。
しかし、最近のパワエレの回路は、SMDも使用しており、銅箔を厚くするとSMD向けの細い信号ラインがエッチングできなくなるという不都合が生じます。
そのような理由から35μの銅箔厚で導体許容電流から導体幅を計算して基板設計を行う場合が多くなっています。
しかし、大電流、大電圧部はどうしても銅箔厚を厚くしたいというケースもあります。また、200μ厚や500μ厚を使いたいといった要求もあります。こういうケースの場合は、厚い銅箔を使用する層を内層でつくり、薄い銅箔を外層で使用することにより、大電流、大電圧部品とSMDを同じ基板で使用することが可能になります。


このように、層構成や銅箔厚が電気的に最適化されるよう連携している基板工場の中から製作可能な工場を選択してコミュニケーションを密に基板設計を進めます。

熱対策

SiCやGaNなどのパワー素子が小型化していることによりそれらの部品から発熱対策も考えなければなりません。
アルミナや窒化アルミのように熱伝導率の高い高価な材料を使用しなくても、通常のFR-4で非貫通ビアを駆して、L3-L4間の絶縁層の薄さをコントロールすれば、別電極の複数の熱源からの発熱を放熱するということも可能になります。
このような場合に、

その基板に適合した最適な層構成と銅箔厚で基板製作が可能な連携工場を選択して基板設計を行っています。



UL規格対応の基板設計

パワーエレクトロにクス回路設計者にとって、火災対策は想定しておかなくてはならないリスクファクターの一つです。
当社ではお客様のご要望に応じUL認定を取得した安全性の高い基板をご提供いたします。


◆技術紹介(得意分野)

◆実績紹介

◆発表論文

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